試食販売の効果



食品の新商品では試食販売が効果的です。

ところが、ほとんどが、”とりあえず”新規導入時に数店で実施して終わりです。

試食販売を行えば次のような販売数推移となることを期待しているのではないでしょうか?





上図「0」週に試食販売を実施。
その後、徐々に購入者が増え、売上が伸びていくハズ
と考えている事でしょう。





首都圏の或る量販店で加工食品部門の或る商品の試食販売を行った前後の販売数推移です。





商品の特性にもよりますが、この商品の場合、試食販売実施時は売れました。
しかし、実施前と後の販売数はご覧のように差がありません。
念のため、統計手法の「母平均の差の検定」を行いましたが、
危険率5%で試食販売実施前と実施後の販売数に差は有るとは言えない。との結論です。

この商品は、通常、家庭に有る物で代用が可能なメニューでの試食でした。
そのため、家庭内在庫が有ると購入に至らない事は予想されていました。
しかし、充分な商品認知がなされれば、家庭内在庫が切れるタイミングで購買に至ると
考えられます。
しかし、それは起きませんでした。
店頭では、常に様々なメニュー提案が行われており、TVやネットでも色々な情報が飛び交います。
お客様の記憶はしょっちゅう書き換えられています。
商品を定着させるには、繰り返し、提案を行うことが必要です。

ある研究機関の調査によると、対象商品のトライアル購入で、
試食販売が購入のきっかけになったのは、約13%で、残りの87%は他の要因でした。
また、リピート購入者では、トライアル購入時のきっかけが試食販売だったのは約6%です。
単なる試食を「とりえずやりました」だとリピート購入に繋がらないようです。
(試食をしたので義理で買う人がいて、そのような人はリピートしない事が多い)

なお、試食販売時の試食数ですが、来店客数4000〜8000の店舗では
試食数を300〜400で資材を用意します。(1日当り)

試食販売の効果は、上記の例で、PI値換算して、
実施時は平時の約500%です。
(店舗と実施内容によっては4000%の例も見られます)




上記チェーンで或る店舗にだけ、当社オリジナルの特別な販促施策を入れてみました。

下図で橙色の線「都内X店」がそれです。



「3」週に、その施策を行いました。
その後、店舗が隔週でエンド等で展開したところ、他店の試食販売以上の実績を上げています。
(実は5週と7週は在庫を吐くためのエンド展開でしたが、好調のため追加発注)
普通の試食販売実施店の内、2店は試食販売終了後もエンドに出していましたが、
売れていません。

他の項目で、エンドに出すと売れる書きましたが、知らない商品はエンドに有っても売れません。
しかし、「X店」では初回の施策で商品認知度が高まった為か、エンド展開が効いています。

試食販売を「バイヤーに言われたから、とりあえず5店入れた」とかでやるのではなく、
どの時期に、どのようにお客様に商品を訴求するのか、きちんと考え、計画的に行動しなくては、
マネキン代が無駄になります。






時々、メーカーの方から「安いマネキン、知りませんか?」と聞かれますが、
首都圏で、あるレベル以上の販売員は、どのマネキン会社でも同程度の額です。
そして、安さを求めて、いろいろマネキン会社を変えるのはいかがなものかと思います。
マネキンも、その商品の販売経験の蓄積が販売力向上につながりますので。
ただ、明らかに管理に難がある場合は、当社にご相談ください。
信頼できる協力会社があります。