競合との比較

「ウチの商品は前年比も予算比もクリアしているから、
新たに販促なんていらない」と思っていませんか?



下図は或るGMSでの商品Aの販売数推移です。
(グラフの転用を避けるため、不鮮明にしてあります)
赤い矢印の期間は月間特売が入っていました。
特売が入ると売れました。
終了すると、落ち込みましたが、季節的な要因もあり、この程度の落ち込みは

慌てるほどではないと思っているでしょう。




同じ期間の、競合品である商品Bの販売数を見てみます。


赤丸で囲った部分はチラシ特売を入れて、試食販売も行っています。
その後、月間特売を入れています。
商品Aの月間特売が終了した後も、商品Bは月間特売が入っています。
これらのグラフを重ねて見ます。



商品Aが月間特売を入れて「売れたね」と喜んでいる時、競合は3倍売れていました。
商品Aが特売を終了させて、「ま、こんなものか」と落ち着いている時、競合は2倍売っています。

営業マンは自社の販促提案に追われ、競合の状況はあまり把握出来ていないと思います。
私もメーカーにいた時は、自社の動向しか見ていませんでした。
前年同月対比で実績を見て、販促をいつものようにやっている間に、
自社商品は、その店舗に於いて重要では無い商品になっているかも知れません。
競合が倍以上、売れているのですから。



それではと、販促策を考えるとなると、
大きなインパクトのあるイベントやキャンペーンを組んでしまうのではないでしょうか?
確かに、これらをやりきると達成感はあります。
売上も一時的に伸びます。
しかし、翌週には、お客様は競合品を買っていますし、
店舗の担当者様は、競合品をエンドに大陳しています。

GMS、SMのグロサリー部門の商品は5000〜6000品目あります。
或るSMの、或る時点の定番棚を見ると約1/3の品にセールPOPが付いていました。
或るGMSの或る店舗には28本のエンドがあり、約170品目が置かれていました。
SMではエンドが8本で80品目が置かれていました。
そして、そのGMSチェーンでは1週間に約170品目のグロサリー商品がチラシに掲載されます。
エンドにはポイント還元企画や前週のセールを継続しているものなども並んでいるので、
チラシ掲載でもエンドに出ない場合があります。
エンドに出たとしても、年間延べ8800品目がエンドに出るので、
売場担当者様にとって、その商品は1/8800の位置づけかも知れません。
このように、店は日々、多数の商品の拡売を行っているので、
提案が無い商品を自ら拡売はしてくれません。
お客様や売場担当者様の記憶は競合商品によって上書きされていきます。
そのため、店舗に対して、こまめな提案をし、反復継続した販促を行うことが大事です。















テレビやSNSで評判になった商品がバカ売れすることがあります。
メーカーとしては全国から注文が上がってきて、それがある程度の期間継続するので
お客様から支持を得たと思うようですが、店舗では実際に影響があるのは
放映後2〜3日で、その後は以前の状況にもどってしまうと言っています。